スリランカの天空に浮かぶ、壮絶な歴史と伝説が残る古代宮殿
高さ200mの岩山の頂点に築かれた神秘の古代宮殿シギリヤ・ロック。かつて5世紀、父親を殺害し王位を簒奪した「狂気の王」カッサパ1世が、その罪の意識から逃れるように断崖の上に自らの理想郷を築いた王宮シギリヤ・ロック。長く続くスリリングな階段を登りきった頂上には、当時の王や王妃達の豪勢な暮らしを伝える豪奢な王宮跡と密林に覆われたシギリヤの大パノラマの眺望があり、栄華を極めた王都の香りを今に残しています。
特にサンセット時の美しさは格別です。一日の終わりを告げるように、スリランカの大地をオレンジ色に染めながら地平線へと消えていく太陽の姿に、かつてのカッサパ王の野望と悲哀の想いが重なり合うノスタルジックなひと時です。
カッサパ1世の死後、19世紀にイギリスの探検家が発見するまで1300年間ジャングルに閉ざされていたシギリヤ・ロックの魅力をご堪能下さい。
今も残る鮮やかなフレスコ画の美女:シギリヤ・レディ
シギリヤ・ロックの卓越した建築美術と美術センスの中でも、一際目を引くのが中腹に描かれた鮮やかな天女のフレスコ画であるシギリヤ・レディです。
カッサパ王が父を弔うために描かせたと言われる500体の美女たちは、どの女性も妖艶で豊満なボディが特徴。肌や顔の造形から、中国や果てはアフリカなど世界各地から来ていたことが分かります。
現在は風化により18体のみ残りますが、その神秘的な美しさは訪れる旅人の心をひきつけてやみません。